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エンジニアと音楽理論&譜面。



エンジニアにとって音楽理論が必要か、と言われれば、私は必ずしも必要ないと思います。

まず第一にエンジニアの仕事は良い音で録音したりMIXでそれを聴きやすく纏めたりといった事がメインになる訳ですので。


ただエンジニアでも出来れば譜面が読めたり音楽理論を理解していた方が、よりレコーディング自体も深いレベルでアーティストと関われますし、アーティストから見てもより仕事はし易いと思います。



私はもともとがミュージシャンで音楽理論や譜面は一通り理解しています。
レコーディングやMIXの時にこういった知識が役に立つ面がいくつかあるので書いてみたいと思います。






●譜面が分かると進行が理解しやすい


エンジニアはほとんどの場合、持ち込まれた曲ははじめて聴く曲です。そういった場合でも譜面が理解できると通して聴く前から、楽曲の内容や構成が理解できるので便利です。

またレコーディング時に展開ごとにDAWソフトで『マーカー』を打っていくのですが、その際も譜面を基準に打っていけばパンチイン時など途中から再生する場合、アーティストと意思疎通がしやすい事が多いですね。




●アーティストが悩んでいる時にアドバイスしやすい。


こういったアドバイスに関してはエンジニアによって人それぞれ哲学があると思いますが…。
アーティストやバンドがアレンジや展開で悩んでいる時などに、音楽理論を理解しているとやはりアドバイスしやすいです。

私の場合は、こういった状態になったらアーティストにまかせて少し様子を見ますが、煮詰まってきそうな予感がした場合、それとなくいくつかアイデアを出します。アイデアがアーティストのイメージの方向性と一致して楽曲がさらに良くなる時は、エンジニアとしては冥利につきますね。




●録音時にMIXを見越したアレンジアドバイスができる


エンジニアは録音から作品に関われる場合は、事前に最終のMIXのイメージを考えて楽器や歌を録音していきます。マイクを立てて楽曲を録音していく時にどうしてもアレンジ上、音がぶつかっていて各パートの分離が悪くなったりしている事があります。

こういった場合でも理論が分かっていれば、録音上の問題(マイキング、ドラムのチューニング、アンプのセッティングetc…)なのか、アレンジ上の問題なのかの判断が早くつく事が多いですね。

アレンジ上の問題だった場合は、そのアレンジを通すとこういった音のバランスになりやすい事を伝えて変更できればしてもらいますし、楽曲のイメージ上どうしてもそのアレンジが必要であれば、MIX時にEQや定位等でなんとか聴きやすいバランスに持っていきます。






今ざっと思いつくメリットは大体こんなところでしょうか。


録音といってもやはり音楽を作る現場なので、プレイ側も理解しているとメリットは多いと思います。これからエンジニアをめざす若い方は何かひとつでも楽器をプレイするとエンジニアとしても今後得るものが多いんではないかなぁと思います。

何かの参考になれば幸いです。

それでは。






by dubreel  at 22:22 |  MIX&マスタリング |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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Author:dubreel


レコーディング/マスタリングスタジオ「studio dubreel」のBLOGです。

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