2012/04/18
悪い音、悪いMIXの必要性
タイトルにある『悪い音、悪いMIX』というのは今回はエンジニア目線での悪い音という意味で書きました。
例えばレベルオーバーして歪んでしまった音であったり、ノイズが必要以上にあったり…。
エンジニアをやっていると基本的には、こういった音は出てこないように録音したり、そういった素材を持ち込まれた場合はMIXの処理で良い感じになる様に努力します。
ただここが音楽の面白いところなんですが、そういったエンジニア的に悪い音でもアーティストのイメージと合致している時には直さない方が良い事が多いです。直してしまうとアーティストのやりたい音から離れてしまうんですよね。
私はそういった場合はアーティストの意向を尊重してそのまま生かします。
ただあまりにも問題がある音だなぁと思う時は、この音を生かす事によって出てくるデメリット(例えばコアな層にしか受けない音源になる等…)を伝えた上で判断してもらいます。
アーティストがその音源を分かる人だけに届けたいのか、様々な人に聴いてもらいたいのか、それによってMIXの様々なチョイスも変わってきますので。
エンジニアをやっていて面白い事の一つは様々なアーティストのイメージに音を通して出会える事ですね。
私の場合、MIXの時は常にアーティストのイメージをまず理解しようとします。それができればMIXもそのアーティストの解釈でスムーズに進みます。
ほんと音楽は面白く知れば知るほど奥が深いです…。