2010/06/18
スタジオにファイルで持込む時の作法。
●当記事は2010 6/18当時のもので、現在は新しいBLOGの方により詳しい記事を書き直しました。下記リンクから新しい記事をご覧ください。
作法というと大袈裟ですが、知っておくと良いマナーですね。ミックスダウンやマスタリングで、スタジオにファイルを持ち込む時に知っておくべき作法3つ。
これはうちに来る人だけでなく、どのスタジオでも共通な部分が多いかと思います。
スタジオに、MIXやマスタリングをよく依頼している人には、
当たり前のことでも、始めての人は知らなくても当然です。
ただファイル関係のトラブルは、エンジニアのモチベーションに大きく
影響してくるので、知っておくと結果的によい制作時間に繋がると思います。
●ファイル名
ミックスを頼む場合、各パートをマルチでばらばらに書き出して、
スタジオに持ち込むことになりますが、それぞれのファイルの名前は、
誰でも分かる名前をつけておく様にしましょう。
たまに、本人にしか分からない様なパート名や、ひたすらTRACK1.2.3等がありますが、
ひとつずつSOLOで聴いてリネームしなくてはいけないので、作業効率がかなり落ちます。
どう名前をつけていいか分からないパートに関しては、
同じフォルダにTEXTファイル等で説明を入れておけば良いかと思います。
●必要なファイルだけ持ち込む
これは以外に多いのですが、持ち込まれたUSBメモリやHD等を開くと、
大量のフォルダやファイルが入っている場合があります。
大量にあっても、きれいに整理整頓され誰でも分かるようにしてあれば良いですが、
一番よいのは、新規メディアに必要なファイルだけを移してもってくる事ですね。
また、その日に使うフォルダをコピーしたら、MIXで使うファイル(パラで書き出した)以外に、
セッションファイルやNGテイク等、不必要なファイルが大量に同梱されている場合も、
コピー時間に無駄が出てしまいますし、エンジニアのモチベーションが下がると思います。
フォルダ内部も必要なファイルだけに整理しておくようにしましょう。
念のための、セッションファイルや差し替えファイル等は、別フォルダを作って
分かりやすい名前をつけておくと親切ですね。
●ファイルの書き出し方法
これに関してはスタジオによって作法があるかと思いますが、
基本的には全てのファイルを曲の頭から終わりまで書き出すのが良いです。
曲の中間に一度しか出てこないパートは、全部書き出すと、
中間部分以外は殆ど無音部分のオーディオファイルになりますが、
スタジオでの作業面でも、楽曲のタイムの面でもベストだと思います。
必要部分だけ書き出して、そのファイルを置く位置を、
タイムコード等を記載したTEXT等で指示する方法も可能ではありますが、
スタジオでのMIX以外の作業時間が増えますし、DAWによってそれぞれ微妙に誤差があるので、 グルーブが変わってしまうケースも多いです。
また先程の例ですと、中間部分だけですので、
『曲の頭から中間部分のファイル終わりまで』を書き出してもOKです。
曲の途中で終わっているファイルに関しては、曲頭からそのパートの終わりまでの
書き出しでも問題はありません。
ただ慣れていない方はパートごとに書き出し指定を変更するとミスする可能性もあるので、、
曲の頭から終わりまでの書き出しをオススメします。
経験上、思いついたことを書いてみましたが、
要するに『スタジオでしか出来ない事以外は準備しておく事』につきます。
これはファイルの事だけでなく、全てにおいていえることです。
プロのエンジニアはどんな状況でも、音に集中して作業できますが、
やはり、しっかり準備がされているプロジェクトであれば、
余計な不安もなく心地よく仕事ができるので、よりクリエイティブな面だけに集中できます。
アーティストやレーベルの人も、エンジニアの調子を上げてやる!っ位の感じで、
準備しておくと良いんじゃないでしょうか(笑)。
※今回のマナーはあくまで、いちエンジニアの意見です。
うちのみに該当する様な内容にはしていないつもりですが、
ファイル書き出し等はスタジオによって方法が違う場合もありますので、
依頼するスタジオにきちんと聞くようにしてください。
何かの参考になれば幸いです。
それでは。